恐怖のSNSストーカー體驗談

現代不安

私は田中と言います。これは、数年前に私が体験した本当にゾッとする出来事です。決して忘れることができないこの経験を、ここに記しておきます。

ある夜のことでした。私は仕事が終わり、自宅に戻り普段通りSNSを眺めていました。いつも通り友達の近況報告や面白い動画をチェックしていると、ふと見慣れないアカウントからフォローリクエストが来ていることに気づきました。アカウント名は「カラス」というシンプルなもので、プロフィールには何の情報もありません。不審に思いながらも、フォロワー数が増えるのは悪い気がしないと思って承認しました。

数日、何も変わらない日々が続きました。ただ、その「カラス」というアカウントから送られてくるダイレクトメッセージが増えていったのです。最初は「こんにちは」や「元気?」といった単純な内容でしたが、次第に私の日常に関わる異様に詳しい内容に変わっていきました。「今日は青いシャツを着てるね」とか「朝食はトーストとコーヒーだったね」とか、まるで私の日常を見張っているかのような言葉が並びました。

最初はただの偶然か、勘違いだろうと流していました。しかし、ある時、私はそのアカウントが私の住んでいる地域の特定できるような風景写真を投稿していることに気づき、これはただの悪戯ではないと感じ始めました。怖くなった私はそのアカウントをブロックし、アプリ自体をアンインストールしました。これで解決したと思っていたのです。

しかし、恐怖は終わりませんでした。数日後、仕事から帰宅するとポストに一通の手紙が入っていました。それは、まるで血で書いたかのような赤いインクで、私の名前と「次はいつ会える?」という不気味なメッセージが書かれていました。その字は、近代的な印刷技術で書かれたもので、手書きではありませんでした。怖くなった私は、すぐに警察に通報しました。

警察は状況を把握してくれたものの、証拠不十分ということで本格的な捜査は進まないようでした。自分が完全に無防備な状態でいることを実感し、背筋が凍る思いでした。それでも、警察の助言に従い、できる限りの個人情報の見直しや、SNSの利用を控えることを心掛けました。

それから数週間、やっと何も起こらずに過ごせる日々が続きました。しかし、安心した矢先のある日、また新たなフォローリクエストが送られてきました。今度は「ナイフ」というアカウント名でした。不気味さを感じつつも、恐る恐るプロフィールを確認すると、またしても私の住んでいる地域に関連する画像や、私の職場周辺の写真までアップされていました。

もはや周囲を疑心暗鬼にしか見れず、外出時に誰かに見られているような不安を抱え続ける日々が始まりました。職場でも常に人の視線を気にしてしまい、仕事に集中することも難しくなっていきました。知人に相談するも、まともに取り合ってもらえず、徐々に心が蝕まれていきました。

ある日、意を決して家の周りを見回ると、家の裏手にある公園の茂みに隠れるようにして小型の監視カメラが設置されているのを見つけました。その瞬間、誰かに監視されているという現実がはっきりし、恐怖は絶頂に達しました。すぐにカメラの写真を撮り、警察へ持ち込むことにしました。

警察は今回こそ動いてくれました。調査の結果、カメラからSNSで知り合った何人かの共通の友達のところに行き着き、その中の一人が疑わしいとされました。しかし、直接的な犯行の証拠は出てこず、結局疑わしいというだけで終わりました。

その後、私は引っ越しを決断しました。幸い、職場にも事情を説明したところ理解を得て、リモートワークを許可してくれたため、遠く離れた街へ移ることができました。それ以来、私はSNSから完全に距離を置くようになりました。プライバシーの大切さを痛感し、極力個人情報をネット上に出さないよう注意を払っています。

その事件から年月が経ち、今では平穏な日々を取り戻しつつありますが、背後に誰かの視線を感じることもまだあります。「カラス」と「ナイフ」のアカウントが誰のものだったのか、真実を突き止めることはできませんでした。そして、今でも私の知らない誰かが私を監視しているのではないかという恐怖が消えないのです。

皆さんも、何気なく行っているSNS活動がどれほど危険か、ぜひ一度考えてみてください。私のような経験をする前に、注意を払っておくに越したことはありません。

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