コトリの森の不思議な囁き声と冒険秘話

都市伝説

昔々、ある町のはずれに、小さな森がありました。その森は、町の人々から「コトリの森」と呼ばれ、おとぎ話のような不思議な出来事が起こる場所として知られていました。しかし、そこにはもう一つの、あまり知られていないお話がありました。それは、ある知人の友達の友達が体験した不思議で少し怖いお話です。

その話に登場するのは、まだ小さな女の子。名前はミユといいました。ミユは好奇心旺盛で、いつも新しい冒険を探し求めていました。ある日、彼女はコトリの森に行ってみたいと強く思いました。お母さんは「森には危険なことがいっぱいだから、一人では行ってはいけないよ」と優しく言いましたが、ミユはどうしてもその森の秘密を探りたい気持ちが抑えられませんでした。

ある晴れた朝、ミユはこっそりと家を抜け出し、コトリの森に足を踏み入れました。森は彼女を優しく迎えるかのように、木漏れ日が美しくあたりを照らしていました。鳥たちがさえずり、小さな動物たちが茂みの中を駆け回っているのが見えました。しかし、ミユは不思議なことに気づきました。森の奥に進むにつれ、聞こえてくる鳥の声が少しずつ変わっていくのです。

それはまるで人の声のようでした。囁き声や、遠くから誰かが呼ぶ声が混じっているように感じたのです。「ミユ、ミユ」と、小さな声が彼女を呼び始めました。ミユは怖くなって後ろを振り返ろうとしましたが、その声はどうしても気になってしまいました。ですから、彼女は声を追いかけることにしました。

声を辿っていくと、森の奥に立派な大木が立っているのが見えました。その木の根元には古びた小さい扉がありました。「ここに入ってみたい」となぜか強く思ったミユは、扉を開けてみました。すると、つぎ払うような不思議な光が彼女を包み込みました。

気がつくと、ミユは別の世界にいました。そこは美しい草原が広がり、周りにはたくさんの子供たちが楽しそうに遊んでいました。ミユはその様子を見て安心し、仲間に加わりました。そこで遊んでいると、彼女は一人の優しそうな少年に出会いました。彼は「ここではいつも楽しいことがいっぱいだよ。君もずっとここにいられるよ」と言いました。

しかし、ミユはお母さんのことを思い出しました。「でも、私の家族が心配するかもしれない。帰らなきゃ」と言うと、少年は急に暗い顔をしました。「ここを出るにはある特別な条件を満たさなければならないんだ。でも、その条件は誰にも教えられないから、きっとここにいるしかないよ」と、彼は言いました。

不安になったミユは、どうすればこの不思議な世界から帰れるのか考え始めました。彼女は草原をよく観察し、小さな手がかりを探しました。すると、ある日、森で出会った鳥が彼女に近寄ってきました。鳥はきらきらとした目で彼女を見つめ、口ばしで何かを渡してきました。それは、小さな輝く石でした。

鳥はそれをじっと見つめるように促し、ミユが石をじっと見つめると、突然周りの景色が変わりました。彼女は元の森に帰ってきたのです。あたりを見回し、そこには見覚えのある木々と、彼女を優しく迎えてくれる風景が広がっていました。

ミユは急いで家に帰りました。お母さんは心配して待っていましたが、無事に帰ってきたことに涙目になりながら抱きしめました。この出来事を話すと、お母さんは何も言わず、ただ優しく微笑みました。そして、森の話は彼女の心の中の秘密となり、誰にも話すことはありませんでした。

しかし、不思議なことに、ミユの親しい友達にも同じような体験をしたという噂が流れ始めました。それは、コトリの森の不思議な世界に迷い込み、帰り道を探す冒険の話でした。話を聞いた人々はそれを都市伝説として語り継ぎました。

それ以来、コトリの森では子供たちが入っていなくなったという話もあれば、森の中の囁き声が増えたという噂も絶えませんでした。でも一体、何が本当だったのかを知る人は誰もいません。そして、その森の囁き声は今もどこかで、小さな耳に届いているのかもしれません。

そして、こんなお話を聞いたあなたも、いつかその声に導かれて、コトリの森を訪れることになるかもしれません。けれど、その時は覚えていてください。一度迷い込むと、戻ってくるには何か特別な手がかりが必要です。大切なのは、その手がかりを見つけるのは誰にも教えることができないということなのです…古くから語り継がれるこの都市伝説のように。

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