2025-06

村の片隅にひっそりと佇む古びた神社。誰からも忘れられたその場所には、決して踏み入れてはならないとされる禁足地があった。神社の奥には毒々しい緋色を纏った杉の木が立っており、その木は「呪いの杉」と呼ばれていた。村の者は皆、この杉の名を耳にするだ...

私がその体験をしたのは、まだ若く、世の中のことなど何も知らぬ無謀な時代のことだった。大学を卒業したばかりで、私は新しい生活へと胸を膨らませ、都会で就職することになった。一人暮らしのアパート探しに奔走していたある日、ふとした縁で今の部屋を紹介...

2023年10月1日今日は奇妙なことがあった。仕事で疲れて帰ってきて、いつものように匿名掲示板サイトを開いたんだ。そこには「呪いの写真を見たら7日以内に異変が起こる」というスレッドが立っていた。好奇心でそのスレッドを開いたところ、真っ黒な背...

依古ノ時、ある孤島ニテ、四ツノ魂集イ、閉鎖ノ館ニ籠ル。此ノ館、不気味ナリシ影ヲ孕ミ、開カズノ扉ヲ蔵ス。蒼キ霧ノ掛カル日、鳥モ虫モ声ヲ潜メ、彼等ハ未知ノ謎ヲ解カンガタメ、館ニ入リヌ。館ノ扉一度閉ズレバ、外ノ声響カズ、内ノ声モ届カズ。彼等ハ檻ノ...

小雨の降る夕暮れ、山中の小道を歩くことになったのは、まったくの偶然だった。記憶の中にある古びた地図と、確かな根拠に欠ける方位感覚だけを頼りに、私はその道に迷い込んだ。木々の合間に見え隠れする空には、灰色の雲が広がり、太陽は遠にその姿を消して...