[画面切り替わり]
―こんばんは、みなさん。今日は、皆さんに特別なストーリーをお届けします。こちらのチャンネルに集まってくださった方々はお馴染みですよね。ええ、今日は少し”怖い”話を聞いてもらおうかと思っています。でも、皆さんのチャットの反応次第ではもっと怖くなるかも…なんてね。さて、準備はいいですか?
[カメラズームイン、あたりは薄暗い]
まず、場所をご紹介しましょう。ここに見えるのは、一見普通の古い洋館です。ですが、この館には不思議で物騒な噂があります。なんでも、ここで行方不明者が出ていたり、心霊現象が報告されたりしているとか。その噂を確かめに私たちがやって来ました。
[カメラが屋敷の入り口に向けてパンする]
それでは、扉を開けます。
[ギギィという重々しい音]
おっと、すでにチャット欄が賑わっていますね。”ドアの音が不気味”、”中はどうなってるの?”といったコメントもあります。はい、それでは、館の中に入っていきましょう。ちょっと想像してみてください、冷たい風が吹きつけてきそうです。
[カメラは広いエントランスホールを映している。埃っぽい空気が立ち込め、天井のシャンデリアがかすかに揺れている]
まずは、エントランスからです。静かですね……あ、シャンデリアが揺れている。風が吹き込む隙間もないのに、風もないのに揺れるなんて、何かありそうです。どうですか、みなさん?何か見えますか?感じるものは?
[視聴者からのコメントが増えていく。”シャンデリアは意図的に揺らしてるの?”、”たぶん旧館の構造のせい”など]
さて、次に向うのは一階奥のダイニングルームにしましょう。過去にここで写真に何かが映ったと動画が出回ったこともあるんですよ。
[カメラが動き、ダイニングルームのドアが開かれる]
ほら、この部屋がダイニングルームです。大きいテーブルには埃が積もっています。…ん?少し待ってください、テーブルの隅に何かあるみたいです。
[画面をズームイン、古びたノートがテーブルの上に転がっている]
見えますか?この古いノート。ちょっと開いてみましょう。
[カメラがノートの中身を映す、古びた字で書かれた文章が読み取れる]
このノートには、”ここに来る者すべて、旧き者に触れるだろう”というようなことが書かれていますが、これは…何を示しているのでしょうか?
[チャットでは”旧き者って何?”、”クトゥルフ的な何か?”とのコメントが続々と]
さて、ノートをしまって、次の場所に行きましょう。上の階です。
[二階に向かう階段をゆっくりと上るカメラの視点、足音だけが静寂を破る]
二階には、幾つかの部屋があります。どの部屋に行くかは、チャットで決めましょうか。”左の部屋”、”まっすぐ”…おっと、”右の部屋”が多いですね。じゃあ、右側の部屋に行ってみましょうか。
[カメラが右のドアをゆっくり開ける、古びた寝室が広がる]
これが、その右の部屋です。見てください、こちらもベッドが古く、誰も使っていなさそうですが……えっ、あの、誰か見えましたか?そこ、窓辺になにか影が。
[チャット上で”見えた!”、”影が動いたよ”といった書き込みが急増]
本当に影が・・?今は何も見えないですけど…何か取り残された霊なのかもしれないですね。みなさんが気づいてなかったら驚くところでした。
[続けて別の部屋に向かう、廊下に響くカメラの動き]
次はお風呂場に行ってみましょうか。おっと、ちょっと足元に気をつけて…ここの床、ギシギシ音がするので、一瞬でも気を抜くと…。このお風呂場、実は報告の多いスポットでもあるんです。
[カメラが浴室のドアを開ける、中は無人のはずなのに湿った空気が漂う]
聞いてください。うっすら水が滴る音が聞こえますか?おかしいですね。この音、まるで水がどこかから滴り落ちているようですが…何もないです。
[視聴者からの反応が更に加熱、”さっきなにが映ったの?”、”謎解きを楽しんでる”などのコメント]
ああ、みなさんのコメントが素晴らしいですね。さっき影が映った瞬間のスクリームキャプチャーもいくつか送られてきたようですが、あの影、何だと思いますか?
[しばらく無言で館内を巡り、カメラは一度エントランスに戻ってくる]
そろそろ時間ですね。怖さのレベルはいかがでしたか?意外にも平和な終わり方となったのではないでしょうか。
[立ち去る準備をしつつ、外に向かう]
あ、最後に一つ。館を出る前にもう一度振り返ってください。何か、不思議な気がしませんか?
[カメラが振り返る、館の窓のどこかがゆらりと揺れている]
ええ、みなさん。本日は貴重な時間をありがとうございます。次にまた、何か特別な体験を共にしましょう。それでは。
[画面がフェードアウト、次第にチャットも落ち着いていく]
視聴された方々、貴重なご意見をありがとうございました。恐怖は時に私たちを生き返らせ、人生の暗部を探求するための道しるべとなります。それがどのような形であれ、みなさんとまたこの”恐怖”を共有できるのを楽しみにしています。
[配信終了]