公園の古木と不思議な絵の秘密

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ぼくは、毎日学校から帰ったあと、公園で遊ぶのが大好き。砂場でお山を作ったり、ブランコに乗って空を飛ぶみたいにしたり。でもね、ある日、公園のすみっこにある大きな木の下で不思議なことがあったんだ。

その木はとっても古くて、大きな枝がたくさんあって、まるで木のおばあちゃんみたい。いつもはその木のそばで遊ばないけど、その日はどうしても引き寄せられちゃった。

木のまわりには、誰かがずっと座ってたみたいに草がよけられてて、そこには古い木の箱が半分土に埋もれてたんだ。ぼくは手で土をよけて、その箱を取り出してみた。箱はとても古くて、まるでおばあちゃん家のタンスに入ってる昔の写真みたいな匂いがした。

箱を開けると、中には薄い紙がいっぱい入ってた。紙を広げてみると、それは子どもの絵だったんだ。でも、ちょっと変だった。絵には、ぼくの知らない友だちが遊んでる公園が描いてあった。その中に、ぼくによく似た子がいて、不思議に思ったんだ。

その日はそれで終わりにして、家に帰った。でも、次の日もその絵のことが気になってしょうがなかったから、また公園に行ったんだ。木の下に行くと、また違う絵が箱の中に入ってた。今度の絵には、その木にぼくが座ってる絵が描かれてた。

ぼくはちょっと怖くなったけど、どうしても気になって、次の日もその次の日も、箱を見に行ったんだ。毎日新しい絵があって、それはまるでぼくの日常をそのまま絵にしたみたいだった。でもね、ある日、その絵に他の子が描き加えられていた。見たこともない子で、背中を向けていたから顔は見えなかった。

「この子は誰だろう?」って思ったけど、なんだか話しかけちゃいけない気がしたんだ。それからも毎日絵を見に行ったけど、その子はいつもどこかにいる。でもどうしても顔は描かれてなかった。

ある日、その子がぼくに手を振っている絵が入ってたんだ。心がドキドキして、でもその手がどうしてもなんだか冷たく感じて、ぼくは猛ダッシュで家に帰ったんだ。でもまるでその子が家までついてきそうで、夜もなかなか眠れなかった。

その晩夢を見た。夢の中でも公園にいて、その木の下に例の子が立ってた。顔が見えそうで見えない。顔を見たら絶対ダメだと思った。知らない力でその子に近づけられて、顔が見えそうになったとき、ぼくは夢からさめた。

次の日、どうしてもその箱を見たくなかった。でもなんだか行かなきゃいけない気がして、不安な気持ちで公園に行ったんだ。思ったとおり、箱には新しい絵が入ってた。でも今度は何も描かれてなかった。

何もないのに怖くてしょうがなくて、ぼくは家にかけ帰った。お母さんには「具合が悪いの?」って聞かれたけど、「うん、ちょっと疲れちゃっただけ」って言った。

でもその日は、どうしても落ち着かなくて、ぼくはもう一度公園に行ったんだ。今度は夕方だった。いつもと違って、公園は赤く染まってて、木の影が長くなってた。

ぼくは木の下に行って、何を探してるのか分からなかったけど、何かが待ってる気がした。すると、さっきまで静かだった公園に、どこからともなく笑い声が聞こえてきたんだ。

びっくりしてあたりを見回したけど、誰もいない。なのに笑い声はだんだん大きくなって、ぼくの周りを巡ってるみたいだった。ぼくはもう怖くてたまらなくて、でもどうしても足が動かなくて、その場で泣きそうだった。

そのとき、ふいに肩を叩かれた。振り返ると、そこでやっと見たんだ。その子の顔を。でも見た瞬間、ぼくは良くないことだって分かった。口元は微笑んでるけど、目が全然笑ってなかったから。ぼくは大声で叫んだけど、その声が自分に届かないみたいだった。

その子はぼくに「この絵を描いたのは君なんだよ」って言った。でも、その声は風の音みたいにかすれて聞こえた。そして気づいたとき、ぼくはもう公園にいなかった。代わりに、知らない場所にいた。

それからもぼくは毎日その絵を探した。でも絵はもうどこにもなかった。でも、今でも時々、その子の声が耳に残っている気がするんだ。ぼくはそれから、一度もあの公園には行っていない。どんなに木の下の箱が気になっても、もう絶対に行かない。

みんなに話したかったけど、どう話していいか分かんなかった。だからこの日記にだけ書いておくことにした。時間が経てば経つほど、あの時の怖さが戻ってくる気がする。でも、もう絶対に振り返らないって決めたんだ。だから、ぼくはいまも心の中でその約束を守っている。

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