これは、私の友人の友達が体験した話で、あまりにも不気味だったので、皆さんにも共有しておこうと思います。聞いた話なので、細かいところは多少違うかもしれませんが、大筋は合っているはずです。
友人の友達を仮にAさんとしましょう。Aさんは大学生で、東京の郊外にあるアパートで一人暮らしをしていました。周囲には静かな住宅地が広がっていて、夜になると人通りも少なくなり、少し心細くなるような場所だったと言います。
ある日、Aさんは友人と飲みに行った帰りの夜、アパートに向かって歩いていました。時刻はすでに深夜を回っていて、道はほとんど無人でした。少し酔っていたせいもあってか、Aさんはふと、後ろから足音がついてくることに気づきました。振り返ってみても、誰もいません。でも、立ち止まると足音も止み、歩き出すとまた聞こえてくるのです。
不気味に思いながらも、特に危険はないだろうと自分に言い聞かせ、Aさんは歩き続けました。アパートに到着し、ドアを開けようとしたその時、少し離れたところに人影が見えました。一瞬の出来事だったので詳しくは確認できませんでしたが、白っぽい服を着た女性のようでした。その人影はすぐに消え、辺りは再び静寂に包まれました。
部屋に入ったAさんは、気味が悪いと思いつつも、そのまま寝ることにしました。しかし、その夜はなかなか寝つけず、何度もベッドの上で寝返りを打ちました。すると、窓の外から誰かが覗いている気配がしたのです。恐る恐る窓を見たAさんは、思わず悲鳴を上げそうになりました。そこには、白い顔をした女性が立っていたのです。女性は無表情でAさんを見つめ、その目には何かを訴えるような鋭さがありました。
慌ててカーテンを閉め、Aさんはベッドに潜り込みました。その夜は、恐怖で一睡もできなかったと言います。
翌朝、友人にその話をすると、友人は驚きつつも、「そんなこともあるんじゃない?」と軽く流されたそうです。Aさんも気にしないように努めましたが、その日から変なことが続くようになりました。アパートの廊下で何かが動く音が聞こえたり、誰もいないはずの部屋で物音がしたりすることが頻繁にありました。
最も気味が悪かったのは、ある雨の日の夜のことです。いつものように帰宅したAさんが、部屋に入ると、一枚の紙切れが床に落ちているのに気づきました。それは、まるで引っかき傷のように文字が刻まれた紙で、「早く、気づいて」という文字が読めました。
Aさんは背筋が凍る思いで、すぐにその紙を廃棄し、換気もせずにその日は電気をつけたまま寝ることにしました。次の日、友人にこの話を再びすると、友人は少し本気で心配になったらしく、一緒に暮らすことを提案してきました。
その夜、友人はAさんのアパートに泊まりに来てくれました。二人で怖い話でもしようかと盛り上がっていたとき、突然、ドアをノックする音がしました。友人が確認しに行くと、そこには誰もいませんでした。しかし、ドアには再びあの引っかき傷のような文字があり、「信じないの?」と書かれていました。
結局、Aさんはその後すぐに引っ越しを決めました。それ以降、特に奇妙な体験はしていないようです。ただ、この話を聞いた時、私もなんだか背中がゾクゾクして、夜道を一人で歩くのが怖くなってしまいました。
皆さんも、何かおかしいと感じたら、すぐに対応した方が良いかもしれません。こういう話はどこにでもありふれていると言いますが、それだけに現実味があって、いつ自分の身に降りかかるかわからないものですから。